メールなどを活用した総会の「みなし決議」


NPO法や定款の定めるところにより、総会で書面やメールなどで議決を行う「みなし決議」ができる

(2020.04.23加筆・一部修正)
新潟県内でもコロナウイルス感染拡大の影響でイベントや会議を開催しにくい状況が続いています。特に、これから総会を控えているNPO法人にとっては、開催の判断に悩まれているところも多いかもしれません。

内閣府や所轄庁には、
「総会を省略できますか」
「WEBやネットワーク経由で開催、決議しても良いですか」
「事業報告書の提出が遅れそうな場合、どうすればいいですか」
といった質問も届いているようです。

委任状をもらい、少人数で開催し議決するといったやり方や完全にオンラインで実施するなどの方法も考えられますが、特定非営利活動促進法や定款の定めるところにより、書面やメールなどで議決を行う「みなし決議」ができることをご存じでしょうか。

NPO法人は、毎年1回総会を開催することが法律で義務付けられているので、開催できなかった、しなかったということがないようにしなければなりません。

では、「みなし決議」とはどのように行うのでしょうか。


●そもそも、「みなし決議」とは
特定非営利活動促進法第十四条の九には、「理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録(省略)により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。」とあります。
この条項を根拠として、定款で定めている場合は「みなし決議」を行うことができます。

(追記)
なお、みなし決議に関しては定款に記載がない場合でも法に規定されているため実施可能です。ただし、定款に記載せずに実施することで定款変更や役員変更など議事録の写しを提出しないといけない場合に、みなし決議の根拠を示せない恐れがあります。
その場合は、特定非営利活動促進法第十四条の九の規定に基づき、正会員全員の同意を得る方法で総会を開催した旨を議事録に記載すると良いでしょう。

注意しないといけない点は、「みなし決議」が成立するには、社員全員が議案に同意して決議されていることが必要となります。つまり、1人でも反対があったり、賛成・反対の意思表示がなかったりした場合は議決できないということです。
議題についてより丁寧な説明をすることは留意しておきましょう。

●定款に必要事項の記載はあるか
団体の定款を確認してください。会議の「議決」や「議事録」に関する条項に「書面」や「電磁的記録」と記載されているかどうかがポイントです。なお、この2つの条項を変更した場合は、定款変更認証申請が必要となりますので、手続きに不備がないように注意しましょう。

新潟県の設立・運営の手引き(認証・運営編)内に記載されているモデル定款は、みなし総会の開催ができる内容になっていますので、定款変更をされる場合は、そちらを参照してみてください。

なお、新潟県の場合、「電磁的方法」は
・電子メール
・法人のホームページに記録
・CD等に記録して交付
以上3つが示されており、
いずれかに限定することもできます。


●総会開催に関する内閣府のQ&A
https://www.npo-homepage.go.jp/news/coronavirus/coronavirus-qa

●新潟県「設立・運営に関する手引き、様式集【運営】」
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kenminseikatsu/1335474121814.html


<団体の運営に困った時は!>
■困った時の相談窓口「新潟県NPO・地域づくり支援センター」
https://www.nan-web.org/npo-consultation/
■困りごとの猫の手「にいがたNPO事務支援センター」
https://npo-jimu.nan-web.org

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