NPOの内発的財源①「会費」について

前回の「NPOにとっての資金調達と財源について」の回では、財源の種類に5種類あるとお伝えしました。今回は、その中でも内発的財源に分類される「会費」についてふれたいと思います。

「会費」は、NPOの活動趣旨に賛同し、活動に参加する会員により得られる資金です。団体によっては正会員や賛助会員(寄付会員)、利用会員(サービスの受益者)など、活動への関わり方によって会員種別を定めています。

例えば正会員は、その組織の意思決定(総会での議決権)に関わる人で、団体の構成員のことを指します。この構成員である正会員が、ミッションの達成に向けて、活動を資金面からも支えます。

会費は使途の「自由度」が高く、会員が退会するまで毎年収入が期待できる、NPOの運営にとっては基礎となる財源です。しかし、1口あたりの金額が少額なことも多く、また、正会員になってもらうためには、当然、団体の活動趣旨に賛同し、言わば「仲間」になってもらわなければなりません。短い期間で、大勢の正会員を集めるのは現実的に難しいことから、会費を短期的な運転資金とするのは不向きです。長い期間をかけ、地道に賛同者を募っていくことが必要となってきます。

さて、この「会費」を獲得するためには、どんなことに気をつけるとよいのでしょうか。

まずは、自分たちのミッションや活動に賛同してもらうことが第一歩ですから、そのための情報を発信することは必要不可欠です。パンフレットやホームページなどで活動目的をわかりやすく説明し、必要であれば直接説明をするなど、団体の透明性を確保していくためにも、適切な情報公開を心掛けることが重要です。

そう、「会費収入を増やしたい」という気持ちより、「理解者や協力者を増やしたい」といった願いが先になければ、たとえ一度会員になってくれたとしても、途中で退会されてしまう恐れもあります。「継続的に応援しよう」と思ってもらえる工夫も、忘れずに意識したいところです。

また、どのように会費が使われるのか、この透明性も会員となる側からすれば大きな注目点です。活動へ賛同してもらうという視点で、もう一度、情報整理をしてみると会員獲得のチャンスが増えるのではないでしょうか。

こうした組織内での努力によって増やすことのできる資金であるため、「会費」は内発的財源と言えます。

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